ゆし木は昔は黒木の他に三線の棹として使われていたメインの島材です。
特に八重山のゆし木は南方系が元とされ、その流れでとても堅い、身の締まった木となっているのが特徴です。
芯の色が黒に近い濃茶なものはその色から『黒ゆし木』と呼ばれていて、身の締まりは格別で、切断面はガラスの様につやつやしています。(八重山ゆし木に関してはHP内こちらのページも参考にしてください。)
その堅さを象徴するのが、こちらの写真
一番右側、シラタ部分はほぼ虫食いでやられていますが、芯の部分は全く虫食いがありません。
虫が入りきれない程堅いという事です。
この黒ゆし木は三線の棹に使う貴重な島材です。
よく見てみると欠損部などあります。
これは古民家に使われていた木材なのです。ゆし木は堅く丈夫なので、高級な住宅用木材として扱われていました。そして、昔は古民家を解体するときに三線に使用して欲しいとの願いも込められていたといいます。
八重山のゆし木は太いので、このように四つ割りにして使用します。芯の部分に縞模様が入るのが特徴です。
この縞模様、マーブル模様にも見えあえてスンチー塗りで楽しむ方も多いです。
このようなマーブル模様は特にスンチー(透明)塗りをすると綺麗です。
実際スンチー(透明)塗りにするとこんな感じで縞模様が楽しめます。
ただ、古典をされる方は注意が必要です。
昔は黒檀が三線の主流だったため、三線の棹は黒という風潮が古典音楽には残っています。
なので、八重山古典のコンクールを目指している方等には黒塗りをお勧めしています。
でもやはり黒ゆし木は、その芯の密度からくる黒さと堅さが最大の特徴です。八重山三線工房では、古民家解体の折には家主に交渉して貴重な島材を入手、時間をかけて収集。その古民家から出てくるゆし木はもちろん何十年とかけて乾燥しているので、乾燥度合いも充分でしっかり身も締まっているのです。
身が締まって堅い、という事は音がより響く三線となります。
八重山のゆし木は八重山黒檀のような音の当たり外れはありません。それも室内で充分にゆっくり乾燥してきた故かと思います。
しかし、八重山のゆし木も伐採禁止になっているため今後さらに希少価値が高まると思われます。
また、当工房でも収集の割りに芯の黒い黒ゆし木はさほど本数は多くありません。
八重山黒檀同様少ないです。
在庫が限られているゆし木、沖縄伝統楽器の三線には是非そんな貴重な島材を使用した三線をお求め頂けたら、と思います。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございまいました。
八重山(やいま)三線工房 新城 (^^)/
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