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珍しい型の紹介です。

取材の依頼を受けました。

とあるところから今週末取材の依頼を受けました。

その内容につきましては、撮影が終わったらご紹介しますね(^^)

なので、散らかり放題の工房を少し整理。

そして取材に使えるように棹を何丁か用意しました。

製作工程がわかるように並べてみました。

これは八重山黒木とゆし木。

黒木の方は荒切り、ゆし木の方は寸法だしして棹うちを始めたもの。

こちらは上からゆし木と八重山黒木。

あんまり差がないですね(^^;

ゆし木の方は胴と組んだだけ。

下の黒木の様は絃まで張り終えました。

音のチェックです。

黒木はどんな音が鳴るのかわからないので

ここまで仕上げてチェックします。価格もこの位になってから

設定できるようになります。

最後は漆塗りが終わった棹と組立たもの。

共に黒ゆし木の黒漆塗り。

ゆし木は芯の濃茶がマーブル模様になって綺麗なのですが

古典音楽をされる方には黒塗りを勧めています。

 

写真をみてある事に気付いた方いますかね?

でもこの角度では難しいか・・・。(^^;

三線の型です。最初のゆし木、棹うち始めたものは『久場春殿型』、次の組立てある黒木の棹は『久場の骨型』

いづれも少し珍しい型となっています。店頭であまり見る事はないのではないでしょうか。

久場春殿型の三線

基本7通りの型があると言われている三線の棹ですが、この『久場春殿型』はその中でも一番太い棹になります。

この角度ではまだ特徴がわかりにくいですかね。

天の曲がりが小さいのと、鳩胸まで緩やかに太くなっていきます。

鳩胸といった丸味はありません。

天の曲がりが小さく、ほぼ真っすぐなのがわかると思います。まだ天を削っていませんが、天はとても薄いのです。

見慣れてないからか、ものすごい違和感を感じます。

野丸から緩やかに鳩胸へ向かう曲線、野坂もほぼまっすぐです。素朴だけどとても特徴的な三線ですね。

黒ゆし木の久場春殿型は初めてなのでどんな音が響くかわかりません。なので出来栄えが楽しみです。(^^)

久場の骨型の三線

逆に基本7通りの型があると言われている三線の棹の中で、最も細いとされているのがこちら『久場の骨型』です。

 

こちらも角度を変えてみると

 

やはり天の曲がりは久場春殿型ほどではありませんが、小さいです。。

 

そしてこちらの三線の特徴も

やはり鳩胸です。久場春殿型よりもさらに野丸から鳩胸にかけての曲がりが少ないです。

野坂も緩やかな曲がりです。そして、横からみても

薄い!

久場春殿型と対照的な細さですが、同じ方の作です。

そして、これに合わせて

胴(チーガ)も細身のタイプになります。

これを見ると皆さん、『子供用?』というのですが

そんな事はありません。

ブー(歌口から野坂の先まで)の長さは他の三線と同じなので、決して子供用ではありません。でも見た目とても細く、天の曲がりも小さい、そしてチーガは薄いので全体的に小さく感じるんだと思います。でも本当に可愛らしい出来栄えです。

この黒木はほぼシラタなので、黒木の芯で作った棹より柔らかい音になります。

なので、高質の音のでる人工特上張りにしました。

で、弾いてみると・・・

 

ポンポンと柔らかい、弾かれたようななんとも可愛らしい音がします。

廉価な三線にありがちなポンポン三線のポンポンと軽い音とはまた違う、なんとも気持ちが楽しくなる音なんです。

この音、店主のみならず、よく当工房に遊びに来てくれる人達も大絶賛(笑)

漆を塗ればもう少し音が落ち着くかもしれませんが、こんな遊び三線が一つあってもいいかも、と思います。

 

八重山黒木ですが、ほぼシラタなので、お買い得の一品になるかもしれません(^^)


今回も最後までお読みいただき

ありがとうございました。m(__)m

 

八重山(やいま)三線工房 新城