三線には伝統的な7つの型があります。そこからまだ色んな型が派生していくのですが、基本は7つの型です。
その中でも一番ポピュラーなのは『真壁型』でしょうか。
でも最近何故か、その型のなかでも珍しい型(になるのか?)
『久場春殿型』と『久場の骨型』の問い合わせが多いのです。
三線というものが広く皆様に知っていただけるようになって、興味を持たれる方がより増えたからでしょうか?
折角なので、これを機にその問い合わせの多い『久場春殿型』と『久場の骨型』とは一体どんな型なのか。
写真を載せて説明いたします。
※尚、型の説明は ”沖縄県文化財調査報告書 第110集” を引用させていただいております。
久場春殿型
”久場春殿の作といわれています。南風原型の系統です。
沖縄の三線のなかでも、もっとも太目の棹です。
天の曲がりは小さく、薄手です。棹は上部から下方へ次第に太くなり、野丸と鳩胸の区別がほとんどできません。
心のつけ根には、階段(一段)がほどこされています。”
本当に棹が太いです。これは重くて持っていられるのか?と思う位です。
特にこれは木が黒ゆし木で出来ているので、重量感は圧倒的です。
そして、天の曲がりは説明にあるようにほどんど感じられません。
では製作した棹の写真を参考にご覧ください。
久場の骨型
”久場春殿の作といわれています。
棹がもっとも細く、久場春殿型とは対象的です。南風原型をひと回り小さくしたような感じです。
野丸と鳩胸の区別がほとんどできません。
横から見ると、クバ(ビロウ)の葉柄に似ているところから、この名がつきました。”
細いっ!この一言です。あまり見慣れない型なので工房でこの棹を見た方からはほぼ『子供用?』と聞かれます(笑)
またこの写真の久場の骨型は八重山黒木のほぼシラタで出来ているため
音も軽やか!なんか聞きなれた三線の音とは違い、これはこれで楽しい一丁でした。
では製作した棹の写真をご覧ください。この細さに合わせてチーガ(太鼓)も薄いものとなっています。
今回は2種類の三線、棹の型を載せましたが、三線は型によってかなり見た目が異なります。
(詳しくは『三線の型について』のページに基本7つの型の説明を記載いたしましたので
そちらのページをご参照下さい。)
また、その型の違いから音の響きも異なってきます。ただ、厳密に引き比べないと微妙な差がわかりにくいかもしれません。
そして、音の違いをはっきり言いきれないのは棹材の違いや太鼓も響きに大きく影響を与えるからです。
型の違いを楽しむ、これも三線の一つの楽しみ方だと思います。
そして、三線は生き物です。出来てみないと正直どんな子になったのか、出来てからどんな子に育っていくか、時間が経つとそれだけ不思議と音も変わってきます。これも楽しみの一つだと思います。
色んな楽しみ方で皆さまの三線ライフを充実させて下さい。
そして、八重山三線工房がその充実に一翼を担えれば、、切に願っております。(^^)
今回も最後までお読みいただき
ありがとうございました。
八重山三線工房
新城
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